ECB追加緩和
6月4日、ECBは追加緩和を決定。
※ECBプレスリリース
https://www.ecb.europa.eu/press/pr/date/2020/html/ecb.mp200604~a307d3429c.en.html
主な変更点は以下の通り。
・パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)増額
EUR750bn→EUR 1350bn
・PEPPプログラムを2020年末から2021年6月まで延長(再投資は2022年末まで)
市場予想に応えた格好で、市場はこれを好感し、欧州周辺国(イタリア、スペインなど)の国債は買い進められた。
政策金利は-0.5%で据え置き、TLTRO III(長期リファイナンスオペ)・PELTRO(パンデミック緊急長期リファイナンスオペ)は据え置かれた。
※TLTRO III
2020年6月から2021年6月までは、主要リファイナンス・オペ金利、および、一定条件を満たす場合には預金ファシリティー金利から50ベーシスポイント(万分率)低い金利をそれぞれ適用。
※PELTRO
5月に開始、2021年7~9月の間に他の担保緩和措置とともに段階的に終了。
ラガルド総裁は記者会見で、「景気底入れを示す初期の兆候が見られるものの、改善は緩慢で行動する必要があった」と追加緩和の背景を説明し、上記の緩和措置については「行動する必要があるとの見解は全会一致だったが、政策措置については幅広いコンセンサスの結果」と全会一致ではなかったと説明。
※ラガルド総裁記者会見
https://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/2020/html/ecb.is200604~b479b8cfff.en.html
ECBも先立って新型コロナウィウルによる経済のダウンサイドに対するセーフティネットを強化したFEDやBOJに追随した結果となり、欧州周辺国の市場不安といったテールリスクは更に限定されたと言えよう。