FRBもYCC導入?
6月10日、米国のFOMCでは、2020年成長率見通しを引き下げ、2020-2022年までのインフレ見通しも引き下げ、2022年いっぱいゼロ金利が継続される見通しが示され、ハト派なスタンスを貫いたことで米国金利は大幅に低下した。
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20200610.pdf
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20191211.pdf
またパウエル議長は新たな金融政策ツールとして日銀やオーストラリア中銀が導入しているYCCを議論していることを改めて明らかにし、まだ是非の答えが出ていないとした。
足下、新型コロナウィルスにより経済悪化が長引き、 FEDが新たな金融緩和を行わなければならないという見方が強まっており、フォワードガイダンスの強化(低金利政策の長期コミットメント)に加えてYCCを活用して金利を低く抑え込むという手段を選ぶ可能性がある。
もしそうなった場合、FEDは日銀のように10年といった長い年限をターゲットにせず、短期(−3年程度)のターゲット金利を25bpなどの低金利に抑え込むといったオーストラリア中銀型のYCCを導入する可能性が高い。
YCCが導入されれば、米国金利のカーブがスティープ化するというのがコンセンサスであるが、先例に倣うと、2016年9月に日銀はYCCを導入し、円金利の5/30年カーブは以下のように推移してきた。
出所:Bloomberg
米金利もYCC導入すると一回イールドカーブがスティープニングして、YCCが長引くと、イールドハントでフラットニングという末路を辿るのか、世界の金利市場は日本化してしまうのか?